「彼方の猫」
2012年 02月 20日私は「彼方」という言葉が好きなのです。
ここではない、過去か未来かわからないどこか。
この世界と背中合わせの、もう一つの世界にいる猫を描きました。
体はもちろん頭も実際の猫とは違うでしょう。
でも猫に見えなくてはいけないので、形はなんとなく調べました。
ただ、あまり調べ過ぎないようにしました。
私のイメージの中の猫です。
実際こんな風に見えるのかわからないけど、耳の内側に血管を描きました。
これには、ちょっとしたこだわりがあります。
この猫は想像の産物だけど、いやそれだけにリアル感を出したかったのです。
この猫はこの絵の中に生きているんだ、と。
そんな今、浮かんでくるのは乱歩の「現し世は夢 夜の夢こそまこと」という言葉。
今の自分には「夜の夢」を作品の中で「まこと」にすることしか…。
by kinsunago
| 2012-02-20 04:56