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素材のこと

近年は専らイージースリップで人形を作っています。
素材を選ぶのも創作では重要な事。
最初の切っ掛けはやはり、型取りできるからという理由でした。
時間もないし、作業も遅いので仕方なく…。

原型を作るということが重要であって、型を取る事に付随する様々な作業は空しく感じることもあるのですが、私はその作業工程の中でとても好きな工程があるのです。
それは、型を取る為に割り出したパーテーションラインに沿って油土を埋めていく作業。
これをやっていると何故だか神聖な気持ちになります。頭の中を空っぽにして、ただ、形を抜くためにだけ存在する単純な作業。
作業工程は全く違うと思いますが、古代エジプトの木乃伊職人になった気分なのです。そう感じた時から、密かにこの人の形を取るということが人形の起原なのでは?と思っております。その昔は弔いの時にも使われた。そして、今は人間が生まれ落ち成長する過程で愛玩物として与えられる。人形は「生と死」に深く関わっているような気がします。
そんな事を感じながらも、私は死や痛々しい表現から離れた表現をしたいと思っています。死や生を超越した存在を目指しているのかなぁ?自分でも全くわかりませんが。

話しがそれてしまいました。私がイージースリップで型を取る事の利点。
●型が出来たら、基本の形が手っ取り早く出来る。
●同じ形の物を何体か作るので、その都度型の修正点を発見してより完成度の高いものが作れる。(イージースリップは修正が可能です。)
●粘土の一種なので、自由に彩色が出来る。(複雑な色味が私の特徴?)
●強度が抜群なので、小さい作品、細い作品にも向いている。(小さい作品が多いです。)
●磨くとすべすべ〜。

そして難点。
●型を取るのが面倒臭い。そしてむずかしい。
●スリップの値段が高い。
●型の収納スペースがない。
●型を取るのが下手なので、取れない形がある。(その時は粘土で修正して、どうにか理想の形にします。)
●形が手っ取り早くといっても細かい造形にかかる時間はそう変わらない。

私の場合、利点と難点を比較すると、難点は自分が我慢すればいいことなので、イージースリップを使ってます。ただ、最近は素材感が気に入ってしまい、少ししか抜かない場合でも、型を取る羽目に陥っております…。

そんな事を考えながら、そろそろ人形を作り始めなくては…。
素材のこと_c0130996_853394.jpg

今さらやっと購入したルクルーゼ。カレー作りました。
by kinsunago | 2009-01-06 08:54 | 創作