2016年 12月 07日
パレットギャラリーの装幀画展、現在開催しております。
11日(日)17時まで。
http://palette-gallery.jp
画家がそれぞれ、自分の好きな文庫本を選んで
絵を描き、さらに装幀をしたものが、実物の本にかけられます。
原画とともに本も展示されております。
本は手にとって、裏表紙や背表紙も見てください。
皆さんの作品、とても面白いです。
実際に出版されているカバーもファイルされておりますので、
見比べていただくとさらに面白いと思います。
私は自分が人形も作ってることもあり、
大好きな物語「ピノッキオの冒険」を選びました。
ほとんどの方が、なんとなく知っているであろうこの物語は、
百年以上も前にイタリアで書かれた児童文学で、完訳版が、とても面白いんです。
たくさんのエピソードと登場キャラクター、
ナンセンスな展開にびっくりすることでしょう!
ご存知の通りジェッペット爺さんに作られた人形のピノッキオが、
人間になるために奮闘する物語なのですが、
彼のいけない行動から、これでもか!というほど酷い目に遭ってしまうのです。
教訓的に書かれた話のはずが、自己中で、浅はかなピノッキオがイキイキしていて、
とても可愛い。
皮肉にも人形のピノッキオが、これぞ人間の子供という性格なのです。
まるで小学時代のSスケを見てるようです。
そして、悪役の狐や猫も面白く、その他たくさんの魅力的なキャラクターが出てきます。
今回の私の作品は、たびたび現れてピノッキオを助ける瑠璃色の髪の仙女と、
嘘をついたため、鼻がのびたピノッキオを、聖母子像を意識して描きました。
ピノッキオに殺されてもなお彼を心配し、お説教をする百歳のコオロギ、
たったの?9時間で戸を開けてくれたかたつむりも登場させました。
また、お気に入りのシーンも入れました。
病気になってしまったピノッキオが、薬を拒否したため、
棺を担いだ4匹の真っ黒い兎が現れるのですが、
怖れをなしたピノッキオが慌てて薬を飲み、
兎たちはピノッキオを連れて行くのを諦めて空の棺を担いで去って行く、
というシーンです。
この物語のタイトルの中にある「冒険」感が全くない絵ですので、
実際の表紙画にはならないと思いますが、
この展覧会ならではの「冒険」をしてみました。
#
by kinsunago
| 2016-12-07 16:51
| 告知